白地に青の絵付けが施された焼き物を、染付と呼びます。
絵具は呉須と呼ばれる酸化コバルトを主成分とした顔料を使用します。
たっぷりと絵具を含ませ、白から青へのグラデーションで塗る方法を”濃み”(ダミ)と呼びます。
染付で使用される特徴的なダミ筆を使い、濃淡で様々なモチーフを描きます。
素焼きの素地に鉛筆で下書きをし、絵付け、焼成までを説明します。
染付で使用する道具
下描き
・鉛筆
・ティッシュ
絵付け
・呉須
・面相筆
・ダミ筆
・水
など
素焼きした素地に鉛筆で下書きをします。
ティッシュペーパーで下書きを薄くします。
鉛筆の余分な粉末を拭うことで、筆での描写がしやすくなります。
濃いめの呉須で、輪郭線を描きます。
輪郭線を「骨描き」と呼びます。
手前にある花をはっきりと際立たせるために、一番濃い呉須で描いています。
骨描きが終わりました。
一番奥にある葉は輪郭線を描いていません。
中間にある葉や花は、呉須を少し薄めて描きました。
骨描きの次は、濃みの作業に移ります。
白から青へのグラデーションでムラなく塗る方法を「濃み(だみ)」と呼びます。
濃み用に薄めた呉須と水を使用します。
ペットボトルのキャップなどに水を注ぎます。
表面張力で零れないギリギリまで水を注ぐのがポイントです。
濃み筆と呼ばれる太い筆に、たっぷりと呉須を含ませ、筆の穂先に少しだけ水を付けます。
花びらを塗っていきます。
しっかりと濃い絵具で骨描きすることで、濃みの絵具がはみ出にくくなります。
花の濃みが終わったところです。
分かりにくいですが、手前の花を濃く、奥の花をわずかに薄く塗って遠近を表現しています。
同様に葉も塗ります。
最奥にある葉の輪郭を鉛筆で描きたしました。
最奥にある葉を濃みで塗りました。
鉛筆の線が堤防になり、絵具がはみ出にくくなります。
こうすることで、骨描きなしで葉が塗れました。
細部は針などを使い、白抜きの線で描画しました。
釉薬をかけました。
この状態のものを、還元焼成で1250度まで上げて焼成します。
1250°まで約16時間で温度を上げ、焼成しました。
透明釉が溶け、ガラス質になることで、呉須で描いた椿の絵が青く鮮明に見えるようになりました。
このHPは、瀬戸市アーティスト活動支援事業「せともんアーティストin newnormal」の助成を受け作成されています。